歴史からCSSを読み解く

今更聞けないCSS<初心者向け>
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CSSの誕生と歴史

CSSの誕生と歴史

CSSの開発経緯

CSSが誕生したのは1994年のことです。World Wide Webが誕生した欧州原子核研究機構で、そこに勤務していたホーコン・ウィウム・リーにより提唱されました。ホーコンさんは後にウェブブラウザで有名なOperaソフトウェアの最高技術責任者に就任しています。その後、1996年にW3Cから正式にCSS1という名称でリリースされます。当時主流だったウェブブラウザのInternet ExplorerやNetscapeは残念ながらCSSをサポートしておらず、この段階ではCSSは普及しませんでした。1996年というとまだWindows5が発売されてすぐの時期です。こんなにも前からHTMLとCSSは役割を分けられていて、HTMLはページの構造や骨組みを記述、CSSはページの装飾やレイアウトを指定するものと決められていたのです。

CSSのバージョン

HTMLは仕様が更新されていくとバージョンという名称で表記しますが、CSSの場合はレベル(Level)で表記します。それぞれのレベルを順を追って読み解いていくと、まず、1996年にLevel1が誕生します。まずはフォントの変更、背景、テキストやリスト、ボックスのプロパティが指定できるようになりました。次に1998年Level2が策定されます。策定直後の段階ではまだ仕様書の定義が不明瞭で実用的ではありませんでした。そして2011年にLevel2.1が登場します。Level2の改訂版で、汎用性の高いものへ進化したのです。このレベルから音声ブラウザの対応、自動スタイルシート変更、印刷端末の対応が組み込まれます。現在はLevel3が最新となっており、モジュールの概念が導入され、ほとんどすべてのウェブサイトでLevel3のCSSが使用可能となっています。なお、最新版のLevel4はまだ草案の段階です。

歴史を学ぶ重要性

CSSやHTMLもそうですが、自分はいまどんな言語を扱っているのかを知ることはとても重要です。その言語の誕生や歴史を5分でも10分でも調べるだけで知見が広がります。この記事を読んだ人はCSSのLevel3で新しいモジュールが勧告されたら、新しいものが追加されたのだとすぐにピンとくるでしょう。もしLevel4が勧告されたら、それがどれほどインパクトのあるニュースかも理解できるでしょう。しかし、知識がなければ少しも驚くことができないでしょう。CSSやHTMLなど、ITに詳しくなるためには情報の収集や積み重ねが非常に重要です。情報に敏感になるには基本となる知識が必要不可欠だからです。言語の歴史を学ぶというと大事に聞こえるかもしれませんが、学生時代の歴史の勉強とは違い実務でも間接的でも活かすことができる基本的な知識として最低限おさえておきましょう。

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  • 案件の見つけ方

    CSSとHTMLのスキルを身につけた後、ウェブサイトのコーディング案件を効率よく見つける方法を紹介します。

  • 初心者が0から学ぶなら

    CSSはHTMLとセットで学ぶ必要がありますが、入門書などを使えば初心者でもゼロから独学で習得可能です。

  • CSSはウェブサイトの“装飾”担当

    ウェブサイトの文字の大きさや色、背景の色、ボタンの色など、見た目(スタイル)を指定するのがCSSの役割です。